プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「もちろん俺とりっかちゃんが恋人になってだよ」
「はあ!?」
柊仁があり得ないことを言うから、大きな声を出してしまった。静かな公園に、莉都花の大きな声が響いてしまい、慌てて口を押える。
柊仁はその様子を見てくすくすと笑っている。とても楽しそうだ。
「そんなに驚くなよ。単純明快だろ? 俺にほかに好きな人ができたら、りっかちゃんの勝ち。そうでなければ、俺の勝ち。な?」
「は? いやいや、前提がおかしいです」
「何もおかしくないって」
「いや、おかしいって! 好きでもないのに恋人になるのは変です!」
恋愛感情がないのにその賭けは成立しないだろうという問題もあるが、それ以前に好きでもない相手と付き合うのがおかしい。
しかし、柊仁はさらっとそれを否定する。
「大丈夫、大丈夫。俺はりっかちゃんのこと気に入ってるから」
「っ……嘘ばっかり」
「嘘じゃないって。まあ、りっかちゃんが俺のこと好きじゃないのはしかたないけど。でも、ほかに誰とも付き合う気ないなら問題ないだろ?」
問題しかない。賭けで付き合うのも、気持ちがないのに付き合うものダメだろう。
「大ありです!」
「そう? でも、りっかちゃんは何も損しないじゃん」
「え?」
「この先誰とも恋しないなら、俺と付き合っても支障はないだろ? それに変わらない恋があるって証明できるかもしれない。もしも逆の結果だったとしても、りっかちゃんは賭けに勝てる。そのときは俺に何でも好きなことお願いしていいよ。ほら、りっかちゃんにメリットしかない」
確かに損はしないと一瞬絆されかけるが、この男と付き合うメリットはないと思い直す。
「はあ!?」
柊仁があり得ないことを言うから、大きな声を出してしまった。静かな公園に、莉都花の大きな声が響いてしまい、慌てて口を押える。
柊仁はその様子を見てくすくすと笑っている。とても楽しそうだ。
「そんなに驚くなよ。単純明快だろ? 俺にほかに好きな人ができたら、りっかちゃんの勝ち。そうでなければ、俺の勝ち。な?」
「は? いやいや、前提がおかしいです」
「何もおかしくないって」
「いや、おかしいって! 好きでもないのに恋人になるのは変です!」
恋愛感情がないのにその賭けは成立しないだろうという問題もあるが、それ以前に好きでもない相手と付き合うのがおかしい。
しかし、柊仁はさらっとそれを否定する。
「大丈夫、大丈夫。俺はりっかちゃんのこと気に入ってるから」
「っ……嘘ばっかり」
「嘘じゃないって。まあ、りっかちゃんが俺のこと好きじゃないのはしかたないけど。でも、ほかに誰とも付き合う気ないなら問題ないだろ?」
問題しかない。賭けで付き合うのも、気持ちがないのに付き合うものダメだろう。
「大ありです!」
「そう? でも、りっかちゃんは何も損しないじゃん」
「え?」
「この先誰とも恋しないなら、俺と付き合っても支障はないだろ? それに変わらない恋があるって証明できるかもしれない。もしも逆の結果だったとしても、りっかちゃんは賭けに勝てる。そのときは俺に何でも好きなことお願いしていいよ。ほら、りっかちゃんにメリットしかない」
確かに損はしないと一瞬絆されかけるが、この男と付き合うメリットはないと思い直す。