プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「……いや、全然メリットじゃ。大体あなたにもメリットはないでしょ」
「俺はりっかちゃんと仲よくできれば十分だから」
「嘘くさい」

 莉都花はすぐさま冷たく言い返した。

「いやいや、本当だって。りっかちゃん見てるの面白いからさ。別に変なことに巻き込もうとか考えてないよ。普通に付き合おうって言ってるだけ」

 すでに変なことに巻き込もうとしているではないか。この賭け自体がもうおかしい。どう考えても普通ではないと、じとっとした目を柊仁に向ける。

「わかった。りっかちゃんに気持ちがないうちは、何もしないって約束する。それならいいだろ? お友達からってやつ。な?」

 そういう意味で訝しんでいたわけではないのだが、そういう心配もあるかと莉都花は一人頷く。やはりこんなバカげた話に乗るなんておかしい。

 莉都花はきっぱり断ろうとするが、続く柊仁の言葉がそれを止める。
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