プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
仕事を終えた莉都花は、すでに馴染みとなりつつあるあの場所へと向かう。今の職場からだと少し距離があるが、交通の便がいいからそんなに問題はない。莉都花はすっかり覚えてしまったルートで目的地へと移動した。
会社を出てから約三十分。目的の場所へと到着した莉都花は、その店のドアを躊躇うことなく開く。中を覗けば、すでにその人が待っていた。
「りっかちゃん」
柊仁がカウンター席に座り、莉都花に向かって手を振っている。いつもと変わらないその光景を莉都花は当たり前のように受け入れ、彼の隣へと座った。
「お待たせ」
「全然。お仕事お疲れ様」
「うん。柊仁もお疲れ」
いつもの挨拶を済ませると、二人揃って微笑んだ。
あの日、柊仁からおかしな賭けを提案されてからは、すでに二ヶ月近い月日が流れた。
莉都花は一応柊仁の提案を受け入れたものの、柊仁との関係はそんなに長くは続かないのではないかと思っていた。
柊仁がどこまで本気なのかわからなかったし、仮にその場では本気だったとしても、どうせすぐに飽きるだろうと思っていたのだ。女性との交流が多いこの男が、莉都花一人に構い続けることはないだろうと。
ところが、賭けをしたあの日から、柊仁が他の女性になびく様子は一切なく、それどころか今日のように莉都花が頻繁にこの店に呼びだされている。
一応は恋人関係にあるから、莉都花も先約があるとき以外はそれに応じており、すっかり柊仁とこの店で過ごすのが当たり前になってしまった。
哲也ともすっかり顔なじみである。
会社を出てから約三十分。目的の場所へと到着した莉都花は、その店のドアを躊躇うことなく開く。中を覗けば、すでにその人が待っていた。
「りっかちゃん」
柊仁がカウンター席に座り、莉都花に向かって手を振っている。いつもと変わらないその光景を莉都花は当たり前のように受け入れ、彼の隣へと座った。
「お待たせ」
「全然。お仕事お疲れ様」
「うん。柊仁もお疲れ」
いつもの挨拶を済ませると、二人揃って微笑んだ。
あの日、柊仁からおかしな賭けを提案されてからは、すでに二ヶ月近い月日が流れた。
莉都花は一応柊仁の提案を受け入れたものの、柊仁との関係はそんなに長くは続かないのではないかと思っていた。
柊仁がどこまで本気なのかわからなかったし、仮にその場では本気だったとしても、どうせすぐに飽きるだろうと思っていたのだ。女性との交流が多いこの男が、莉都花一人に構い続けることはないだろうと。
ところが、賭けをしたあの日から、柊仁が他の女性になびく様子は一切なく、それどころか今日のように莉都花が頻繁にこの店に呼びだされている。
一応は恋人関係にあるから、莉都花も先約があるとき以外はそれに応じており、すっかり柊仁とこの店で過ごすのが当たり前になってしまった。
哲也ともすっかり顔なじみである。