プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「お、柊仁。また、女連れてんのかよ」

　柊仁の知り合いと思しき男が、そんなことを言いながら、柊仁と莉都花の間にやってきた。

　男は莉都花にじろじろと不躾な視線を送ってくる。

「今日はきれい系か。いいね。俺も仲間に入れてよ」

　男の視線が気持ち悪くて、ぞわっと肌が粟立つ。たったこれだけの言動で、この男が女に見境のない人間だとわかる。

　初めて会ったときの柊仁もやたらと女性に構ってはいたが、柊仁にここまでの不快な感情は抱かなかった。自分とは価値観が合わなさそうで苦手だと思いはしても、嫌悪感のようなものはなかった。

　きっと柊仁の女性に対する振る舞いには、多少なりとも思いやりが感じられたからだろう。柊仁の周りにいた女性らは、皆楽しそうにしていたのだから。

　一方、今目の前にいるこの男には、そういうものがまったく感じられない。ただただ気持ち悪いだけだ。

　不快感から莉都花が思わず身を後ろに引けば、柊仁が莉都花をかばうようにして、男を腕で軽く押し下げた。
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