プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
 柊仁の言葉から、歩きにくい道を歩くのだと思っていた莉都花は、平坦でしっかりと舗装された道に拍子抜けする。少し距離があるというだけで、険しい道でもなんでもない。歩く距離も莉都花からしてみれば、たいしたものではなかった。

 柊仁と普通に会話をしながら歩き、思ったよりもあっさりと目的地へ到着してしまった。

 入口の看板を見ながら、柊仁に問いかける。

「ここ?」

 到着したのは結構な広さがあると思われる公園だ。大きな駐車場がその規模を物語っている。

「うん、ここだよ。でも、目的の場所はもう少し先」

 柊仁は公園の奥を指さしている。

 確かに今いる入り口からだと公園の中までは見えず、ここに莉都花が好きなものがあると言われてもまだピンとこない。

 なるほど、もう少し先なのかと頷き、柊仁と共にその公園へと足を踏み入れた。
< 63 / 154 >

この作品をシェア

pagetop