プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「俺はりっかちゃんに訊いてるんだよ。俺とデートしたいって言えるくらいだから、大丈夫だと思ったけど――」

 莉都花はぎょっとし、柊仁の言葉を慌てて遮る。

「えっ、ちょっと、そんな言い方してない」

 デートがしたいとは一言も言っていないはずだ。なんとなく流れでそうなっただけである。

 しかし、柊仁はすっとぼけて首を傾げている。

「そうだっけ?」
「そうだよ」
「うーん、でも、りっかちゃんは今、デート楽しんでくれてるだろ?」
「それは、まあ」

 実際に楽しいから、それは肯定しかできない。自分でも信じられないくらい、今の時間が楽しいと思っている。

「俺といるのも嫌ではないだろ?」
「……嫌じゃない」

 莉都花はまたもや肯定しかできない。時折からかってくるのだけはどうにかしてほしいが、柊仁といるのは嫌ではない。なんなら心地いいとさえ思うこともある。

 素直に頷く莉都花に、柊仁はさらに問いかけてくる。
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