プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
そんな関係がしばらく続き、出会ってから間もなく一年が経とうという早春の頃、二人の関係を変える出来事が起こった。
ずっとお兄さんのようなポジションで寄り添ってくれていたはずの和真が、莉都花への想いを吐露したのだ。
本当は気づいていた。和真の雰囲気から、そういう感情を彼が持っているとなんとなくわかっていた。
でも、恋愛に進みたくない莉都花は、あえて知らないふりをして甘えていたのだ。
たぶん、和真もそれをわかっていて、黙っていてくれた。恋愛にトラウマを抱える莉都花を慮って、自分の想いは秘めていてくれたのだ。
しかし、和真は大きな覚悟を持って、莉都花にその想いを告げてきた。
「白壁さん。僕はどうしてもあなたと生涯を一緒に過ごしたい。白壁さんが心から好き。だから、僕と結婚してください。ずっとそばにいるって約束する。だから、結婚してから、恋を始めよう。それなら白壁さんの不安も拭えるだろう?」
「一ノ瀬さん……」
「僕のことが嫌いじゃないなら、どうか受け入れてほしい。絶対にあなたを手放したりしないから。お願いします」
和真の真摯な告白に莉都花は強く胸を打たれた。こんなにも自分を大切にしてくれている人の想いを、自分の都合だけで拒絶してしまうのは、不誠実なのではないかと思った。何より、莉都花も和真にそういう感情を抱いてしまっていた。
和真から想いを告白されれば、自分の想いも無視できなくて、莉都花は彼の想いを受け入れた。
「ありがとうございます。私も……私も本当は一ノ瀬さんが好き。よろしくお願いします」
莉都花は瞳に涙を浮かべながら、そう返事をした。
さすがに結婚は恋人の期間を経てからのほうがいいとそれは断ったが、二人はその関係を恋人という形に変化させたのだ。
それからの日々は本当にとても幸せだった。莉都花が不安にならないようにと、和真はそれまで以上に莉都花に寄り添い、言葉でも態度でも莉都花への想いを示してくれた。
順調に愛を育み、互いの両親に顔を合わせるくらいにまでその仲を深めた。婚約までは至らなかったものの、結婚に踏みきる日が近いこともお互いなんとなく感じていた。たぶん、あと数ヶ月でも交際が上手くいっていれば、莉都花は和真と結婚していただろう。
しかし、恋人になって三年目の冬に、とうとうそれが訪れてしまった。莉都花の悲しい宿命がそれを招き寄せた。
ずっとお兄さんのようなポジションで寄り添ってくれていたはずの和真が、莉都花への想いを吐露したのだ。
本当は気づいていた。和真の雰囲気から、そういう感情を彼が持っているとなんとなくわかっていた。
でも、恋愛に進みたくない莉都花は、あえて知らないふりをして甘えていたのだ。
たぶん、和真もそれをわかっていて、黙っていてくれた。恋愛にトラウマを抱える莉都花を慮って、自分の想いは秘めていてくれたのだ。
しかし、和真は大きな覚悟を持って、莉都花にその想いを告げてきた。
「白壁さん。僕はどうしてもあなたと生涯を一緒に過ごしたい。白壁さんが心から好き。だから、僕と結婚してください。ずっとそばにいるって約束する。だから、結婚してから、恋を始めよう。それなら白壁さんの不安も拭えるだろう?」
「一ノ瀬さん……」
「僕のことが嫌いじゃないなら、どうか受け入れてほしい。絶対にあなたを手放したりしないから。お願いします」
和真の真摯な告白に莉都花は強く胸を打たれた。こんなにも自分を大切にしてくれている人の想いを、自分の都合だけで拒絶してしまうのは、不誠実なのではないかと思った。何より、莉都花も和真にそういう感情を抱いてしまっていた。
和真から想いを告白されれば、自分の想いも無視できなくて、莉都花は彼の想いを受け入れた。
「ありがとうございます。私も……私も本当は一ノ瀬さんが好き。よろしくお願いします」
莉都花は瞳に涙を浮かべながら、そう返事をした。
さすがに結婚は恋人の期間を経てからのほうがいいとそれは断ったが、二人はその関係を恋人という形に変化させたのだ。
それからの日々は本当にとても幸せだった。莉都花が不安にならないようにと、和真はそれまで以上に莉都花に寄り添い、言葉でも態度でも莉都花への想いを示してくれた。
順調に愛を育み、互いの両親に顔を合わせるくらいにまでその仲を深めた。婚約までは至らなかったものの、結婚に踏みきる日が近いこともお互いなんとなく感じていた。たぶん、あと数ヶ月でも交際が上手くいっていれば、莉都花は和真と結婚していただろう。
しかし、恋人になって三年目の冬に、とうとうそれが訪れてしまった。莉都花の悲しい宿命がそれを招き寄せた。