プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「だから、そんなこと言わないでよ。和真さんにそんなこと思わせたくない。和真さんを苦しめるために別れたんじゃないのっ。好きだったから、和真さんが好きだったから、そうしたの」
「っ、莉都花……」
「好きでたまらなくて、怖かった。醜い自分になるのが嫌だった。祥子ちゃんなんて放っておいて、私だけ見てよって、思ってしまう自分が怖かった。和真さんの幸せを願えなくなるのがとても怖かったの」
あのまま和真のそばにいては、彼をひどく縛りつけてしまいそうで、彼の幸せを奪ってしまいそうで莉都花は怖かった。誰よりも和真の幸せを願っているはずなのに、自分の中の不安がその感情を上回ってしまいそうでとても怖かった。
そして、その不安を消すには、和真と離れるしかないと思って、別れを選んだのだ。
初めて打ち明ける莉都花の本音に、和真はとても苦しそうな表情を浮かべている。
「ごめん、莉都花。やっぱり僕のせいだ。そんなに怖い思いをさせて本当にごめん。僕の心が少しでも揺れたせいだ。莉都花はそういうことに人一倍敏感だとわかってたのに。莉都花を百パーセントで愛してやらないとダメだった」
再び謝る和真に、莉都花はそうではないと今の気持ちを告げる。
「そんなこと謝らないで。和真さんを責める気持ちなんて少しもない。今、和真さんと話そうと思ったのは、和真さんに謝ってほしかったからじゃない。逆なの。何も言わずにいなくなったことを謝りたかったの。私のほうこそ、本当にごめんなさい。逃げるようなことしてごめんなさい」
深く頭を下げて謝る莉都花を和真が止める。
「莉都花も謝らなくていい。それが莉都花なんだから。人の気持ちに敏感で、恋に臆病で、周りの人をとても大切にする。僕はそういう莉都花を好きになったからね」
莉都花も和真も泣き笑いの表情を浮かべる。とても不器用な恋をしていたのだと、今になって二人とも実感しているのだ。
その不器用さ加減を、続く和真の言葉がさらに教えてくれる。
「っ、莉都花……」
「好きでたまらなくて、怖かった。醜い自分になるのが嫌だった。祥子ちゃんなんて放っておいて、私だけ見てよって、思ってしまう自分が怖かった。和真さんの幸せを願えなくなるのがとても怖かったの」
あのまま和真のそばにいては、彼をひどく縛りつけてしまいそうで、彼の幸せを奪ってしまいそうで莉都花は怖かった。誰よりも和真の幸せを願っているはずなのに、自分の中の不安がその感情を上回ってしまいそうでとても怖かった。
そして、その不安を消すには、和真と離れるしかないと思って、別れを選んだのだ。
初めて打ち明ける莉都花の本音に、和真はとても苦しそうな表情を浮かべている。
「ごめん、莉都花。やっぱり僕のせいだ。そんなに怖い思いをさせて本当にごめん。僕の心が少しでも揺れたせいだ。莉都花はそういうことに人一倍敏感だとわかってたのに。莉都花を百パーセントで愛してやらないとダメだった」
再び謝る和真に、莉都花はそうではないと今の気持ちを告げる。
「そんなこと謝らないで。和真さんを責める気持ちなんて少しもない。今、和真さんと話そうと思ったのは、和真さんに謝ってほしかったからじゃない。逆なの。何も言わずにいなくなったことを謝りたかったの。私のほうこそ、本当にごめんなさい。逃げるようなことしてごめんなさい」
深く頭を下げて謝る莉都花を和真が止める。
「莉都花も謝らなくていい。それが莉都花なんだから。人の気持ちに敏感で、恋に臆病で、周りの人をとても大切にする。僕はそういう莉都花を好きになったからね」
莉都花も和真も泣き笑いの表情を浮かべる。とても不器用な恋をしていたのだと、今になって二人とも実感しているのだ。
その不器用さ加減を、続く和真の言葉がさらに教えてくれる。