その先もずっと 〜愛する彼と千日を過ごしたら、幸せが待っていました〜




 
 食事を終えた頃だった。

 彼はお手洗いに立ち、私は席で彼を待つ。
 お手洗いと言いながら支払いをしてくれているのかな。

 私はほろ酔いの頬を両手で押さえた。

 彼はいつも優しくて、大好きだ。この先もずっと一緒にいられたらいいのに。

 そう思っていると、ふっとライトが消えた。

 各テーブルのライトだけがゆらゆらと揺れる。

 真っ暗な中、生演奏も止まっていた。

 停電?

 それともなにかの演出?

 どきどきしていると、四重奏が音楽を奏で始めた。愛を告げる流行りのバラードだ。

 スポットライトが入口と私に当たる。

 入口にいたのは花束を持った彼だ。

 どういうこと!?

 私はキョロキョロと周りを見る。

 ほかのお客さんは食事や歓談を中断して成り行きを見守っている。

 彼はやや緊張しているようだった。

 彼が歩くとともにスポットライトも移動して私に近づく。
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