余裕ちゃんは5人の王子から逃れたい。
佐伯さん……いや、佐伯くんは気にしていないようだけど、だいぶ女の子たちからの視線を感じる……。


やっぱりあんな美形5人と関わったらろくなことにならないだろうし、極力関わらないようにしよう。


授業が開始される。


ツンツンと、肩を突かれた。隣の席からだ。


「……」


無視しよう。


「……ねぇ」

「……」

「……ねぇってば」

「なぁに……」


仕方がなく返事してしまった。


「ここの問題何?わかんない」

「私もわかんないよ」

「嘘つき。学内で頭一番良いらしいじゃん」

「……知らない」


もうっ……!どうして関わりたくないのにちょっかいかけてくるの……!!


ああ、そっか……この人も、私の権力目当てで私のことを狙ってるんだもんね……。


じゃあ、仕方ないか……


なんか、憂鬱になってきた。



そう思った瞬間、机と机がぴったりくっつく。側には、佐伯さんのとっても綺麗な顔。


「教えて、教科書もまだないんだ。それともなに、こんな問題もわかんかいの?」

「なっ……そんなわけないし。ここはこの公式を使うの」


教科書を指差して指示する。すると、嬉しそうに微笑んだ彼は教科書に目をうつした。



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