幼馴染みが皇帝になった件
そして17歳の時、皇帝ロリオⅡ世が、この世を去った。

ヴィクトルのお父さんは、ずっと病気だったらしい。

若くて亡くなった皇帝に、国民は喪服を着て、哀悼の意を表した。

国をあげてのお葬式に、私も参加したけれど、棺の前で毅然とした態度で立っているヴィクトルが、痛々しかった。


「皇太子殿は、まだ17歳でしょう?大丈夫なのかしら。」

「まだ成人式まで1年ある。その間に、皇帝教育をみっちりやるだろうな。」

「なんだか、頼りないねぇ。」

街の人の、心ない言葉に、私は腹が立った。

「ヴィックなら、大丈夫よ!!」

私は、大きな声で叫んだ。

その時、棺の前に立っていたヴィクトルと目が合った。
< 10 / 13 >

この作品をシェア

pagetop