幼馴染みが皇帝になった件
そしてヴィクトルは、18歳の誕生日に、皇帝の座についた。

国中がその瞬間を、待ち続けていた。


「ヴィクトル・フェルディナン・ロリオ。そなたにこの国の王位を授けます。これよりは、ロリオⅢ世と名乗るがよい。」

「はい。」

国の司教より、王冠を授かったヴィクトルは、とても眩しくて勇ましくて、誰よりも輝いていた。

その場にいる人、全てがヴィクトルの為だけに、拍手と賛辞を贈る。


ああ、ヴィクトルはこの為に、生まれたのだ。

私の中の力が無くなっていく。

この日から、私達は王と庶民。

住む世界が、引き裂かれてしまったのだ。

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