初恋、叶えてもいいですか?


「槙田ちゃん、今夜はピッチ早いね」

「わ、大西くん……」

私のカシオレ追加の声に反応して、空いていた左隣に座ってきたのは、ゼミで一番の人気者の大西くん。


「茉莉花が飲んでるのはノンアルだから、酔ったところをお持ち帰りはできないからね?」

私の右隣に座る沙夜ちゃんが、大西くんに向かって警戒したように言うと、彼はクスクスと笑い始めた。

というのも、この大西くんという人は、プレイボーイとして有名なのである。


「いや、本命をお持ち帰りするのは、俺のポリシーが許さないっていうか、ね?」

私の顔をみながら、にこっと笑う顔は、確かにかっこいい。まあ…パパの次の次くらい。

私が大西くんと話すことはあまりないけど、こういう風にいつも女の子を口説いているんだなって感心してしまった。




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