初恋、叶えてもいいですか?
「俺の初恋は、槙田ちゃんなんだけど」
「……え?」
「だから、俺の初恋に協力をするってことは、槙田ちゃんには、俺のことを好きになってもらわなきゃいけないってこと」
先程までの威圧感はなくなって、へらりと笑いながらそう言った大西くん。
なるほど!私が大西くんと付き合ったら、大西くんの初恋が成就するってことか。
それなら私にも協力できるじゃん……って。
「いやいやいや、冗談だよね?」
そんなの、信じられるわけないし!!
だって私たちそんなに話したことないし、何ならこんなに話すの、今日が初めてだし?
大西くんの周りには、いつも可愛い女の子が集まっていて、今だってゼミの女の子達の視線を集めている……。
そんな人に、私のことが好きどころか、初恋ですなんて言われて信じられるわけがない。