いじわる双子のお気に入り~ドタバタ☆甘キュンDAYS~
episode.8~猫と再会~
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「菜礼ってば、少し見ない内になんだかまた瘦せてしまったんじゃない……?」
あれから週末を迎え、土曜日。
私は数日ぶりに祖母の入院する病院を訪れて、高校転入後から今日までの一連の近況報告を行っていた。
「え、そう!?体重は全く変わってな……いやむしろちょっと太ってたような……」
「あら本当?なら良いのだけど」
「いや全然良くないけどね」
相変わらず過保護な祖母は、私がここを訪れる度、こうして何かと心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
「ちゃんとご飯は食べれているの?聖さん方に迷惑かけてない?息子さんたちとは上手くやれている?」
「あーはいはいストップ!お祖母ちゃん私のこと信用なさすぎ!これでももう高校2年生なんだよ?」
「高校2年生であっても、大学4年生であっても、社会人10年目であっても、あなたは何歳になったって私にとっては世界で一番可愛い孫であり娘なのよ」
そう言われてしまうと何も言い返せなくなってしまい、私はんぐ、と唇を噛んで言いよどむ。
大怪我から少し経ち、入院生活を送る中で、順調に回復の兆しを見せている祖母の体調は、日を増して良くなっているようであった。
それは大変喜ばしいことなのだが、こうしてお見舞いに来るたびに何かと世話を焼かれていてはいつまで経っても落ち着かない。
「そうだわ。向かいの患者さんからね、果物のお裾分けをいただいたのよ。冷蔵庫に切ったメロンが入っているはずだから、あなたも一緒に食べましょう?」
まだ治り切っていない脚をベッドから下ろして冷蔵庫の戸に手を伸ばそうとする祖母の体を、私は必死に押し戻す。
「わかった!わかったから!私が取るからお祖母ちゃんは休んでて!」
全く、油断も隙もありゃしない。
そうは思いつつも、こうして一緒にいただき物のメロンをご馳走になってしまっているのだから、私も大概自分に甘いものだ。