オオカミくんは甘えたい
私にも、勇気はある。



それだけ信じて誘おう。



そうじゃないと、瞬くんと関わることもう無いかもだから。



陽那ちゃんが



「ちょっと照れてる感が大事」



とピンクのチークを頬に塗ってくれた。



ちょっとだけ、大人になった気分。



今の私なら、行ける気がする。



がんばろう。



覚悟を決めて、D組の扉から瞬くんの姿を探した。



「・・・いない」



でもD組の中を見渡しても瞬くんの姿はなかった。



もしいたら、すぐにわかるはずなのに。
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