オオカミくんは甘えたい
それなら今帰っちゃおうと思って下駄箱へと向かった。



下駄箱のすぐ隣に設置されてる自販機には雨が止むのを待っているのか何人か集まっていた。



それを横目にささっと靴に履き替えて傘を開こうとした時だった。



はっと息をのむ。



目の前に大神くんの姿があった。



「チッ」



と雨を見ながら舌打ちする彼を見て傘を忘れてしまったのだと察した。



昨日の私だったら見逃して帰ったと思う。



けど今朝の1件があったからこそここで何もないふりをして帰ったら気まずい。
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