ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
「もっと歌って」

僕は心地よさにリクエストする。

この心地よさは普段では味わえない。

僕は彼女の歌が続いている間

『生きている』。

落ち込んでは励まされ

リアルから解き放たれ

安らいで呼吸している。

彼女が歌うのを止めてしまえば、

僕は彼女に触れてしまい

熱い息を交わし合い

果てて我に返るのだ。

「もう歌いたくないの」

彼女はやはり否定した。

“家に帰ろう”

彼女は、僕が吐くであろうその言葉を

歌を止める事でさえぎったんだ。

彼女の歌声が消え、僕が彼女にキスをすると

彼女はこう言った。

「バカ・・・」
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