ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
「奈緒―、珍しくハシャイでんじゃーん」

愛華がテーブルに肘をつき、手のひらに顎を乗せ、

口元を隠すようにしニヤニヤしながら言った。

「んー、ここのビールうまいからねー」

「・・・発泡酒だけどな、味もわかんねーのか、こいつは」

瀬那が口を挟む。

「なんだとー!じゃあ瀬那はわかんのかー!水道の水とアルプスの水とわかるっての
かー!」

「ぼけー、わかんに決まってんだろう、俺、瀬那だぜ!」

二人は目茶苦茶になってきた。

「じゃあ、いい女と悪い女の違いがわかんのかー!」

くだらない話に呆れたのか、勇気はテーブルに伏して寝てしまってるようだ。

「あたしはどっちー、瀬那!」

愛華が言った。

「簡単じゃん!愛華はいい女、奈緒は悪い女!」

「なんだとー、理由を言え!」

奈緒はビールを一気飲みし、今度は緑茶ハイを頼んだ。

「理由ね―」

瀬那は考えてる振りをし、<久保田>のラベルを見ながらお猪口を口に運んだ。

「ないんだろー、ないのに、適当なこと言ってんじゃねーぞー」

奈緒がくだを巻く。

「ない!」

瀬那が言った。

「―ないけど、奈緒には言いたくなる!とてもいい女なんて言えない」

奈緒は急に黙り、緑茶の緑を見つめた。

そして、しばらく見つめていると不思議な感覚を覚えた。
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