ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
奈緒は瀬那のほうをチラリと見た。

瀬那は奈緒から目をそらしエイヒレと格闘していた。

「なんてメンドクセーんだこいつ」

なんて言いながら

〈契って〉

いる。

奈緒は、まだ殆ど口をつけていない緑茶ハイから、

底に沈んだ何かを、ストローに引っ掛けて獲ろうと四苦八苦した。

そんな二人を見て愛華はゲラゲラ笑った。

しばらくすると

奈緒は苛立ちがピークに達して一気飲みすることにした。

底にある指輪に気をつけながら・・


そう奈緒は気付いていたのだ。

しかし、

照れから中々取れない振りをしていたのである。

奈緒が緑茶ハイを飲み干し

グラスを傾けると、氷と一緒にいかにも安そうな指輪が出てきた。

奈緒はその指輪と氷を手の平に乗せ、じっと見つめた。

氷は奈緒の熱い心を受けすぐに溶けた。

そしてなんの変哲もない安物の指輪だけが奈緒の手に残った。

奈緒は静かに瀬那の方に体を向ける。

瀬那は相変わらず奈緒と目を合わせない。

しかしその時、

瀬那は無表情に

エイヒレを食べてる右手とは逆の手で

上を指差した。

「Lightにかざしてみなよ」

愛華が瀬那の代わりに言った。

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