ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
二人が大声を出すと、近くを歩いていた客が“痴話喧嘩か―?”と口を出してきた。

それを聞いた途端、今度は勇気がキレた。

「うっせーんだよ、ジジイ!!割り込んでくんじゃねーよ!!」

「あー、なんだとー?もういっぺん言ってみろ!!クソガキ!」

険悪な雰囲気に慌てた店員が客をなだめ、勇気を愛華が止めた。

とりあえず席に座り直した勇気と愛華―。

奈緒は下を向いていた。

少しの沈黙のあと、瀬那が席を立つ。

「んじゃー、俺、帰んわ」

「瀬那は帰る必要ないじゃん―」

愛華が<まずい>と思い、なだめる。

瀬那は愛華の言葉が聞こえないかのようにドアに向かった。

そんな瀬那の背中に向かって奈緒は心苦しそうに、カスレルような声を搾り出した。

「瀬那・・・、また会える、よね」

瀬那は一瞬立ち止まったが、振り返らずに店を出た。
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