ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
<in one's heart・心の中で>
愛華の計らいで
瀬那にせっかく会えたあの日から、
もうずっと…
奈緒は外には出なくなっていた。
愛華とさえ
何らかの断り文句を見つけては
出かける事をしなかった。
あの居酒屋の夜から一ヵ月ほどたったある晴れた日、ただ、穏やかな日々を送っていた奈緒は、
洗濯物を干すためにベランダに出た。
日課として、リビングに飾ってある鉢植え達に水をやるためだ。
結婚記念に夫婦で買った小さな“幸福の木”は
背丈が奈緒のちょうど半分くらいになっていた。
『私の幸福も成長してるのかな』
29、秋
奈緒はふと、そんなふうに思った。
こんな風に
ずっと穏やかでいたいな。
そしてそんな言葉とは裏腹に、奈緒は毎日なにげなくポケットに忍ばせている指輪を手に取り、陽射しにかざした。
“OPEN YOUR HEART”
奈緒は小さなその文字を
指でたどり、
心の中でつぶやいた。
『…たすけて』
愛華の計らいで
瀬那にせっかく会えたあの日から、
もうずっと…
奈緒は外には出なくなっていた。
愛華とさえ
何らかの断り文句を見つけては
出かける事をしなかった。
あの居酒屋の夜から一ヵ月ほどたったある晴れた日、ただ、穏やかな日々を送っていた奈緒は、
洗濯物を干すためにベランダに出た。
日課として、リビングに飾ってある鉢植え達に水をやるためだ。
結婚記念に夫婦で買った小さな“幸福の木”は
背丈が奈緒のちょうど半分くらいになっていた。
『私の幸福も成長してるのかな』
29、秋
奈緒はふと、そんなふうに思った。
こんな風に
ずっと穏やかでいたいな。
そしてそんな言葉とは裏腹に、奈緒は毎日なにげなくポケットに忍ばせている指輪を手に取り、陽射しにかざした。
“OPEN YOUR HEART”
奈緒は小さなその文字を
指でたどり、
心の中でつぶやいた。
『…たすけて』