ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
<It is natural to help you.・あなたを助ける>

「瀬那!なんで自殺なんかしたの!!」

愛華が瀬那の病室に入るなり叫んだ。

幸いにも瀬那は恵美による発見が早く一命を取り留めた。

…というのは大袈裟な話しである。

瀬那は悲劇のヒロインを演じようと手首を軽く切ろうと思った。

それがちょっと血が出たくらいで、思いのほか恵美が騒いでしまったのである。

で、入院…

しかし瀬那はこのまま流れに任せた。


奈緒は何も言えないままドアの近くで瀬那を見つめていた。

「おまえ、自分のせいだと思ってんだろう?」

瀬那は愛華には見向きもせずに、奈緒に向かって静かにそして淡々と言った。

「―」

「自惚れるなって言ってんだろー?」

瀬那は奈緒の泣きそうな顔を見て、元気づけるように笑いながら言った

〈なんで一応病人の俺が励ましてんだ、と心の中で呟きながら〉。

それを見た愛華は、二人の空気を汚さないように気遣い、

瀬那のベッドから少し離れた窓際に行き、外を見ていた。

〈ホント私ってお人よしかも。心の中で愛華は呟いた〉

「情けないことに自分が何やってんのかわかんなくなっちまってよー。手首でも切れば
頭スッキリすんじゃねーの?って衝動的に、な。
・・痛かったよ」

瀬那が笑いながら軽口を叩くと、奈緒は瀬那にそっと近寄り、上着を脱ぎ、服の袖をゆっくり捲くる。

そして瀬那に右手首を見せた。

奈緒の右手首にはリスカの痕が三本あった。
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