ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
瀬那は黙ってそれを見ていた。

「瀬那、なんで三本あるか分かる?」

「・・・」

「一回目は瀬那が結婚した時、
二回目はあたしが結婚決めた覚悟の時、
三回目はこの一ヶ月の間―。
瀬那は一本でしょ? あたしの勝ちだね」

奈緒は微笑んだ。

瀬那は奈緒の手首をじっと見ていた。

しばらくして奈緒が口を開いた。

「私たち、何回も何回も喧嘩する。
それで何ヶ月も連絡とらなくて苦しい思いして・・・
私は瀬那の感覚に良くも悪くも触れるらしく、起こらせては断ち切らせるようなマネをする。
だけど、・・・
だったら瀬那はくじけずに私から離れなければいーじゃないか。
瀬那も同じように私にそう思ってる?

たぶん、結婚してる同士だから
なんとなく理解できる
そっちの家族の大切さを私が耳にすると
入っていけないツラサがあるし。

瀬那の家族を壊したくない心理的なもの。
その意識が瀬那の話からいつも働くから
私は瀬那の理想どおりの女にはなれないのかも。

でもお互い一緒に居たいんだから居ればいーんじゃないの。
っていう所に落ち着く。
私だって瀬那と連絡が途絶えるのが
どれだけツマラナイ事か
どっちも譲らない性格だから、いまいち伝わらないのだろう。けど。

私のなかで
言葉で誘導してたとしても、それは無意識で、物理的に瀬那と縁を切るみたいなことはできないのよ。
私が瀬那に望んでる事はどうやっていても私達は気持ちのどこかでお互いを捨てきれないんだから、ってのを理解して。

挑発に乗るみたいに
もう会わないだの
そっちが悪いこっちが悪いとか結論づけようとしたり・・・
瀬那を怒らせるのは私、私を怒らせるのは瀬那。
ゴメンナサイ。」

瀬那は優しく語る奈緒の瞳を見つめ、抱き寄せた。

「ごめんな。これからはおまえの我侭、全て俺が受け止めてやるよ」

二人は、笑った。

そして、愛華がいる事もお構いなしに・・・

・・Kissをした。
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