ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
―というのは真っ赤な嘘である。

ただ単に、二人は何をするにもタイミングがズレ、気持ちとは裏腹に上手くいかない。

そのうちに瀬那が結婚してしまい、

奈緒も結婚してしまう。

これまた二人の意志とは違うところで・・

つくづく駄目な二人なのである。

初めて奈緒と瀬那が知り合った時、奈緒に男の影があったり

奈緒が彼氏と別れた時、瀬那に彼女がいたり・・

それでも二人はグループでの付き合いはしてきたのだ。

奈緒が瀬那を気に入り始めたとき、瀬那は奈緒の気持ちに気付かなかった。

瀬那が奈緒を気に入ってた時、瀬那はドキドキして何も言えなかった。

もちろん何も出来なかった。

この二人、同じ性格をしているのである。

気が強いわりに照れ屋で酒飲みで頑固で自己チューで

<好きあってる>

同じ性格だから、二人が話しをすると必ず喧嘩になる。

そのために好きという感情に中々気づかなかった。そして気付いても言えなかった。

しかし、奈緒が瀬那の知らない人と結婚を決めた時に、

瀬那と奈緒の強がりという壁が低くなり、今までにないほど二人は歩み寄る。

「奈緒、ホントに結婚すんのかよ」

「・・するよ。私、このままじゃ、ドンドンおばさんになっちゃうもん。それにやっと結婚出来る。・・ラストチャンスだし」

奈緒は瀬那から目をそらさずに言った。

瀬那は何も言えなかった。

「奈緒、俺―おまえが好きだ」

どうして瀬那はこの言葉をずっと前に言えなかったのだろう。

奈緒が婚約した今、焦って言ったって・・

「うん。私も―」

奈緒は答えた。

しかし奈緒は結婚してしまう。

結婚間近に奈緒は、

<友達に祝ってもらう>

と婚約者に言い、瀬那と数時間過ごした。

瀬那と奈緒が始めて交わったのだ。

しかし、こんな寂しいSEXがあるのだろうか―。

奈緒と瀬那はこれによって情がより深まり、それぞれ複雑な思いで過ごしていくことになる。

お互いに距離が離れ、また近づくであろう。

この二人・・

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