ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
―
奈緒と桜井が
アメリカに渡り3年の月日がたっていた。
日本もアメリカと同じく夏を目前に迎えている・・。
―その日、奈緒は日本の実家へ帰る決意を固めていた。
奈緒は桜井の帰宅を神妙な面持ちで待ち、
「あなた…、話があるの」
「ああ、なんだい?」
「・・・私、日本へ帰ってもいい?」
「そうか。あぁ。ゆっくり帰ってくるといいよ。キミのお母さんも一人暮らしで淋しいだろ。
本当は一緒にこっちに来てもらいたかったんだがな。」
桜井はパソコンの入った
黒いカバンを奈緒に渡しながら笑顔で言った。
「ちがうの。」
奈緒は
いつも笑顔で受けとめる桜井に
少し苛立ちを感じた。
「キミのお母さんに何かあったのかい?」
奈緒は桜井の心配そうな表情さえ目をつぶって消してしまいたかった。
「私は…私は。自分に素直に生きていきたい。・・もう限界なの。」
涙をこらえ、奈緒は必死に訴えた。
「どうしたんだ?、急に・・」
「あなたは優しい人だわ。新しいこの土地でも仕事をこなして疲れてるのに私を気遣って。どうしてなの!?」
桜井が
「だから…」
“愛してるからだ”
と言いかけたとき、
奈緒の口から無意識に出た言葉が
桜井を黙らせた。
奈緒と桜井が
アメリカに渡り3年の月日がたっていた。
日本もアメリカと同じく夏を目前に迎えている・・。
―その日、奈緒は日本の実家へ帰る決意を固めていた。
奈緒は桜井の帰宅を神妙な面持ちで待ち、
「あなた…、話があるの」
「ああ、なんだい?」
「・・・私、日本へ帰ってもいい?」
「そうか。あぁ。ゆっくり帰ってくるといいよ。キミのお母さんも一人暮らしで淋しいだろ。
本当は一緒にこっちに来てもらいたかったんだがな。」
桜井はパソコンの入った
黒いカバンを奈緒に渡しながら笑顔で言った。
「ちがうの。」
奈緒は
いつも笑顔で受けとめる桜井に
少し苛立ちを感じた。
「キミのお母さんに何かあったのかい?」
奈緒は桜井の心配そうな表情さえ目をつぶって消してしまいたかった。
「私は…私は。自分に素直に生きていきたい。・・もう限界なの。」
涙をこらえ、奈緒は必死に訴えた。
「どうしたんだ?、急に・・」
「あなたは優しい人だわ。新しいこの土地でも仕事をこなして疲れてるのに私を気遣って。どうしてなの!?」
桜井が
「だから…」
“愛してるからだ”
と言いかけたとき、
奈緒の口から無意識に出た言葉が
桜井を黙らせた。