ソウルメイト~男女の親友ってあるの?
“Dear NAO”

“美奈子です。元気?私はもちろん元気よ。今日は桜井君の上司について大事な話があるのでメールしました。

そこまで読み、

奈緒は目を閉じる。

ここから先、

読むのには抵抗を感じたのだ。

美奈子のいう桜井の上司。

その人は桜井の会社の総務部長であり、

今回の辞令に深く係わっていると桜井から聞いていたからだ。

奈緒は一旦窓の外を眺め、心を決め先を読み始めた。

“先日、カレ個人に契約してもらった保険の契約更新の時期で、
久々に会ったのだけど、
カレの会社、桜井くんの会社でもあるわよね?
倒産したんだって?”

奈緒はパソコンの画面を茫然と眺め・・

その奥の壁が透けて見える様な気がした。

「…なにを言ってるの…」

桜井は毎日変わらず

会社へ行くために

早起きできた日はジョギングをし、

毎日の朝食を残さず食べ、ノートパソコンの入った重たい黒いカバンを…

…毎日?パソコンを?
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