【短編】眠り姫に口付けを。
「別に目立つことがいいとは、限らないけどね…」
不意にそう口にしてから彼女の隣の芝生の上に腰を下ろす。
そして手を後ろに付き、
大きな空を眺めながら僕は言う。
「え?…でも高宮くんは凄い有名だし、今こうして話してることも、夢みたいだよ」
僕の隣にちょこんと座ると彼女はそう言った。
「夢?」
チラリとだけ視線を送って問う。
すると彼女は大きな瞳を細めて笑うと、
「少し…憧れてたから、いつも自由に自分の思うままに生きてる感じがして」
と彼女は言った。
でもそんな彼女の言葉は現実とは違っているもので、
僕は変な気持ちになった。