【短編】眠り姫に口付けを。
「私は…練習、してたの」
彼女は少し恥ずかしそうに目を泳がせながら言う。
その仕草はどこか可愛らしい。
小動物みたい。
でも練習って?
言葉にはぜずに目だけで問い掛けると彼女は言葉を繋げた。
「高宮くんは知らないだろうけどね…?私、一応これでも演劇部なの」
と何だか照れくさそうに、でもどこか嬉しそうに笑う。
「演劇部って…文化祭とかでやってる?」
「うんっ、見てくれた事ある??」
そう言った彼女の問いかけに少し困る。