【短編】眠り姫に口付けを。
遠慮がちな迷いのある様な目をしつつも彼女は言った。
「彼女とか…いるじゃない?……それにいつも周りに人がいるから」
彼女?
え、僕そんなこと一言も言ってないのに。
「彼女なんていないよ」
空が直視出来る位置に居る僕。
今日は掴めそうなくらいに雲が見える気がする。
「え、でも皆は…」
「正しいんじゃないの?……聞いて納得したなら」
別にこういう噂も訂正する気は無いし。
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