【短編】眠り姫に口付けを。
僕は絶対にキスはしない。
身体だけを重ねる、ただそれだけでしかない。
求められたからこそそれを与えた。
そこに愛も何も無い。
「リエ…じゃ、ダメなの?」
「…ふっ、
リエでもリエじゃなくても、ダメ
僕は嫌いなんだ、女の子」
回されていた腕を払い、
僕は立ち上がって上着を着る。
「お金…置いておくから、お釣りも貰っていいよ」
柔らかな笑みを浮かべて
そのまま部屋を後にする。
彼女達はいつも。
それ以上は聞かない…