【短編】眠り姫に口付けを。
きっとこういうのを感情用語で“興味”というんじゃないかな?
僕はそう思うけど。
そのまま猫の後を追うように、ピョンと窓の外へと身を投げ出す。
瞬間、触れる外の肌寒い空気が僕の肌をチクリと刺した。
寒い季節は肌が痛い。
けど不思議とこの季節、嫌いじゃないよ。
「…何処に行ったんだろ」
此処に来ている間は不思議と僕は独り言が多い気がする。
いつもはあまり面倒なことは口にしないから…新鮮な気分になるな、ちょっとだけ。
するとカサカサと草と草が擦れるような音が聞こえて、
無意識のうちに僕はその場所へと向かって行った。