【短編】眠り姫に口付けを。
高鳴っていく鼓動。
焦る衝動。
変な汗を掻いてしまうように頭の中が白くなる。
光が無数に散らばって…
真っ白になる。
─その時だった…、
「違うの、…四季く、っ高宮くんは……私に付きまとわれてただけで、」
え?
「本当…私が勝手に、……だから…高宮くんは被害者で…」
席に座ったままひたすら下を向いて、
ただ、そう言い続けたのは。
他でもない彼女で。
「…な、なんだやっぱりそうなんだ!…マジ四季…本当、驚かせないでよぉ……」
笑い泣き、とでもいうのか。
リエは安心したようにそう言う。
だけど。