【短編】眠り姫に口付けを。
僕の目は少なからずとも開いたままで、
瞬きずらも忘れてしまっている。
「どういう…こと?」
結局は君も、そういう女の子だったの?
だんだんと沈んでいく感覚。
「ねぇ」
「四季?…っねぇどうしたの?」
周りの声すらも聞こえなくて。
ただ黙るだけの彼女の腕を掴むと、
彼女の気持も確認せずに僕は教室を飛び出していた。
薄らと彼女の目に見える涙。
そして濃く僕の中に出来た傷。
これがどんな意味を成しているかなんて…
誰にも分からない。