【短編】眠り姫に口付けを。
とりあえずの空き教室に彼女を押し込む。
「ねぇ、さっき言ってたこと何?本気で言ってたわけ??」
「……そう、だけど?」
強がるその瞳には弱さが含まれている。
そう感じるのは僕の勘違い?
「本当はずっと迷惑だった…、高宮くんみたいな……そんな人と一緒に居るなんて」
「…そんな人?」
「そうだよ、…軽くて何が本当の言葉なのか分かんないような人」
「僕が…嫌い?」
落ち着いた声音で言ってるけど…
微かに言葉が震えている。
すると絡まっていた筈の視線から逃げる様に
君は視線を下に下げて、
「…嫌い……」
目も合わせずそう言ってから教室を出て行ってしまった。