【短編】眠り姫に口付けを。
◆眠り姫に口付けを
ただボーっと、
何かを考えるわけでもなく。
ひたすら宙を仰ぐのは僕の意識。
今頃、文化部の発表が始まった頃かな?
「…ねー四季~」
流れで和馬の家に集まったのはいいけど…
僕の意識は少し薄い。
「ん…?」
「何か四季、変だよぉ~」
そう言いながら僕の身体に身を寄せて、
腕を絡めて密着してくる。
いつもならそれを僕は受け入れて
そのまま場所を変えて。
…そんな感じだったような、
けど今はそんな密着も絡みも嫌で仕方が無い。
けどそれ以上に心が軋む。