【短編】眠り姫に口付けを。
息を切らして走る。
ただひたすら走って、再び学校に向かう。
こんなの僕らしくない。
だけど…そんなもの捨ててしまえばいいんだ。
振る舞う仮面も全て捨ててしまおう。
傷付く事を恐れているこの臆病な心も
全て曝け出してしまおう。
一人を好むなんて嘘は吐かずに
誰かの温もりを感じよう。
全てを捨ててでも手に入れたいのなら
迷わずに手を伸ばそう。
「───…っ!……はぁ…はぁ…っ」
体育館の中に入ってみれば、そこは暗く。
ステージは明るく照明で照らされていた。