【短編】眠り姫に口付けを。




動く足は僕の本能で。



「……退いて。」


ザワつく体育館内。



僕は欲しい物は欲しいと、そう言うことに決めた。



「ちょ…っ!!困るよ!!!」


王子役の男がそう言う、



けど、


「僕も困るんだよね」


と笑う。



「…っ?……四季、くん?!」

眠っている筈の眠り姫は目を見開く。


その表情は何処か驚きを隠せない、そんな感じ。



「君にとって迷惑でも…僕は困る、それは」


ザワザワと煩くいつもなら嫌なくらい耳に残っていた筈の雑音は、

今の僕の耳には入ってこない。

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