【短編】眠り姫に口付けを。




「海の側の…教会。」

「え…っ!?」


彼女は起き上がり僕をジッと見つめる。



けどその瞳には僕を拒絶する

そんなもの、


微塵も感じられなかった。



僕の勝手な考えかもしれないけど。



「さっき行ってきたんだ…少しだけど思い出した。僕と君は……」


王子役の男を押し退けて、



「──…前に出逢ってたよね?」


すると彼女は戸惑いを見せながらも。



コクン。



そう頷いた。

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