【短編】眠り姫に口付けを。
「…ちょっと……本当…っ!…はぁ…」
息を切らした君は苦しそうにも肩で息をする。
「ごめんごめん」
「っ…口癖……直ってないんだね…ふははっ!」
方目を閉じたまま彼女は笑う。
まだ苦しそうな表情をしているから少し浜辺を歩く。
「ねぇ…どうして此処に?」
「此処のがいいかなって…思ってさ。」
すると何が?と、
そう言いたげな顔をして彼女は僕の顔を覗く。
彼女のドレスは派手なものでは無く。
可憐で神秘的な。
汚れを知らない…そんなもので。
「人生で初めてのことをしようと思って」
少しヒールのせいか背がいつもよりも高くて、
髪を巻いているせいか、少し大人っぽく。
薄く化粧をしているせいか…
いつもよりも目がくっきりとしている。