【短編】眠り姫に口付けを。




「僕は君が好きみたいなんだ」


真っすぐ目を見て、そう言った。



人間はいつもそうだ。



矛盾して、なのに正義を語る。

言い訳をして自分を飾る。

努力を隠しそれは全てが才能だと悟る



人間はいつだって自分を取り繕う。


出来やしない。


孤独を好む人間なんているのか?


本当に完璧な人間なんているのか?


愛を拒む人間なんているのか?




きっと僕はそんな人間の中の一人。

愛を知らないフリをして愛を求めていた。


綺麗事という中で、

ソレを求めていた。



僕の埋められない穴は…


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