【短編】眠り姫に口付けを。




僕は弱者。

一人じゃ何も出来ない弱い人間。


本当は愛を欲して、



もがき足掻き…ただひたすらの一線を引いていた。


欲望と理性

そんなもので自分の身体を満たして…



足りない心は無視をして。


なのに助けを求め。



僕は弱者だ。



「眠り姫は…待ってたんだよ。

……ずっとずっと昔から、たった一人の王子を、100年間眠り続けて。」



だけど弱者の僕は、


「じゃぁ今度は…100年分の時間を一緒に過ごそう。」


君と居ればきっと、



「…うん、ずっと」



強くなり愛を知り。



眠り姫を目覚めさせるただ一人の王子に。



そして僕らの影の唇と僕らの唇は重なった。

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