【短編】眠り姫に口付けを。
死んだ人間みたいに青白く
雪のように透明な肌。
赤く僅かな潤いを持つ
魅惑を含む唇。
長く少し濡れた睫毛。
閉じられた瞳は開けられることは無い。
たくさんの人間が目覚めさせようと
しかし目は開かない。
時間だけが過ぎ去り。
周りは時と共に変わり。
花は枯れ、人は老いり。
100年経って逢いに来る。
最初の口付けは眠り姫。
二回目の口付けは君。
さぁ
眠り姫に口付けを。
目覚めの甘く儚い口付けを。
─end─
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