【短編】眠り姫に口付けを。
考えてみるとこうやって自然に笑うのは珍しいかも知れない。
貴重だな。
「君…何年生?」
僕が見た感じこの子は一年生だろうと思う。
まだ幼さが残る雰囲気が何よりもそう思わせていたから。
だけどこの子は何故か少し驚いた表情をしてから、小さく呟いた。
「高宮くんと…同い年、だよ?」
「…そうなの?」
ちょっと僕自身も驚く。
けど無理も無い。
僕は特別な目で女の子を見たことも無ければ、…それ以上に感じたことも無い。
「…ん、でも私ってあんまり目立つタイプじゃないから、さ」
コクンと頷いてから彼女はそう言った。