想ふれど
今も想う。
言葉にできたらどんなにいいだろうと思いながら。

桜が咲いていた。明日が卒業式だと知っているみたいだと思った。
明日あなたは泣くのだろうか。「私たち」に会えなくなるのは寂しいと…。
私以外のその他大勢が憎らしくてたまらなかった。私だけ、私だけを想って泣いてくれたらいいのに。
けれど、それは絶対に叶わない。

涙が落ちてシーツに染みをつくる。私きっと明日の卒業式でもこんなに泣きはしないだろう。すきだと伝えることも叶わない。その他大勢に混じって握手をしてさよならを言って、それでおしまい。

あなたは先生。
私は生徒。
そんな最高に近くて遠い関係を、壊す勇気も持たない私は、明日であなたに会う口実すら失うのだ。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

竹取物語写作秘抄〜輝夜姫を愛した人〜
mayaya/著

総文字数/4,893

ファンタジー5ページ

第5回ベリーズカフェファンタジー小説大賞エントリー中
表紙を見る
I wanna be your only lover
mayaya/著

総文字数/35,839

恋愛(キケン・ダーク)109ページ

表紙を見る
パラレルワールドの恋
mayaya/著

総文字数/3,001

恋愛(その他)1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop