私だけが知ってる、王子様のヒミツ。
掃除を終えて教室に戻る途中、渡り廊下の一角で数人の女子に囲まれている和臣を発見した。
和臣はいつも通りの華やかな笑顔で女子たちの相手をしていたが、会話の隙に目くばせしてきた。
歌乃は噴き出しそうになりながらも平静を貫き、見なかったふりをしてその脇を通り抜けた。
すれ違った後で、堪えきれなくなり、くすくす笑う。
そこで偶然、友達と会った。
笑っていることを不思議に思ったらしく、何かいいことあったの、と彼女が尋ねてくる。
なんでもないよ、と歌乃は答えた。
実はアニメや漫画が好きで、ブラックのコーヒーが苦手で、完璧すぎる兄がコンプレックスで、それでも日々努力している頑張り屋。
そんな王子様の素顔は――歌乃のとっておきの秘密だから。
《END.》
和臣はいつも通りの華やかな笑顔で女子たちの相手をしていたが、会話の隙に目くばせしてきた。
歌乃は噴き出しそうになりながらも平静を貫き、見なかったふりをしてその脇を通り抜けた。
すれ違った後で、堪えきれなくなり、くすくす笑う。
そこで偶然、友達と会った。
笑っていることを不思議に思ったらしく、何かいいことあったの、と彼女が尋ねてくる。
なんでもないよ、と歌乃は答えた。
実はアニメや漫画が好きで、ブラックのコーヒーが苦手で、完璧すぎる兄がコンプレックスで、それでも日々努力している頑張り屋。
そんな王子様の素顔は――歌乃のとっておきの秘密だから。
《END.》