悪役令嬢の私を溺愛した冷徹公爵様が、私と結ばれるため何度もループしてやり直している!?〜私はドレスを作って穏やかに過ごしたいだけ〜
評判の良い仕立て屋を呼び、幾つか生地を持ってきてもらった。
この世界で使う裁縫道具も新調する。
男性の服を作るのだと告げると、仕立て屋はおすすめの上着やシャツを店に取り揃えていると告げたが、レベッカは自分で作りたいと断った。
貴族の娘が自ら服を作るなんて聞いたことが無いのだろう、仕立ての主人は大層驚いていた。
「上質なシルクだわ……これはオーガンジー、これは羊毛……?」
どれも前世だとなかなか買うことができない高級な生地に、触りながら惚れ惚れするレベッカ。
「こちらのネイビーと白の生地を頂戴。あと金のボタンと刺繍糸も」
「かしこまりました」
レベッカが注文をすると、仕立て屋の主人は頭を下げ、手際よくハサミで生地を裁断していった。
ゲームの中で重要なのは攻略キャラからの好感度であり、所持金の概念はなかったため心配だったが、さすがは貴族の令嬢。
高級な生地を簡単に買えるほどの懐事情なのは助かった。
レベッカは、約束したクロードの服を作るために早速行動していた。
帰ってきてすぐに彼の肩幅、腰回り、足の長さを書き留め、似合うデザインをデッサンしていた。
ブルベ冬の彼にぴったりな服を作り、贈り、それを着ているところが早く見たい。
早速買ったばかりの布の裏地にペンで線を引き、クロードのサイズにしていく。
ミシンなど機械は無いため、裁縫針に糸をつけ、早速切った生地を縫い合わせていく。
専門学校時代も手際の良さだけは誰にも負けなかった。
頭の中で想像したデザインが生地から服となって、人に着てもらえるのが至福の時間なのだ。
窓から暖かい陽の光が差し込み、レベッカは針を進めることに没頭していた。
いつまでそうしていたのだろう、コンコン、と扉を叩く音がしたので返事をして振り返る。
「誰かしら?」
針を針山へと刺しレベッカは立ち上がる。
扉を開くと、部屋の前で小柄なリリアがおどおどと恐縮した様子で立っていた。
「リリア様、どうかしましたか?」
赤く長い髪が作業の邪魔だからと、一つに結んでいたレベッカを見上げ、リリアが口を開く。
「ええと、レベッカ様に折り入ってお願いがございまして……」
何やらもじもじと人目をはばかる様子だったので、レベッカは了承してリリアを部屋の中へと招き入れた。
部屋の中心の椅子を引き、座るように促すと、リリアはちょこんとその椅子に腰掛けた。
ピンクの髪の毛をバレッタで留め、大きな瞳をレベッカへと向ける。
(か、かわいい……小動物系の最上位だわ……!)
お互い椅子に座っていても、背の高いレベッカは自然と見下ろす形となっってしまう。
上目遣いで見つめられ、女だというのにキュンとしてしまう。
その時ふと、リリアがこの前渡した、ベルトのついたローヒールのパンプスを履いていることに気がついた。
「あ、リリア様その靴履いてくださってるんですね! 履き心地はいかがですか?」
「そうなんです、この靴とても歩きやすくて。ありがとうございます」
どうやら気に入ってもらえたようだ。
華奢なリリアの足首を守る役目のベルト付きのでやはり間違いなかった。
レベッカがティーポットに新しい茶葉を入れ、カップに温かい紅茶を注ぎ、リリアに差し出した。
彼女は小さく礼を良うが、もじもじして口をつけようとしない。
この世界で使う裁縫道具も新調する。
男性の服を作るのだと告げると、仕立て屋はおすすめの上着やシャツを店に取り揃えていると告げたが、レベッカは自分で作りたいと断った。
貴族の娘が自ら服を作るなんて聞いたことが無いのだろう、仕立ての主人は大層驚いていた。
「上質なシルクだわ……これはオーガンジー、これは羊毛……?」
どれも前世だとなかなか買うことができない高級な生地に、触りながら惚れ惚れするレベッカ。
「こちらのネイビーと白の生地を頂戴。あと金のボタンと刺繍糸も」
「かしこまりました」
レベッカが注文をすると、仕立て屋の主人は頭を下げ、手際よくハサミで生地を裁断していった。
ゲームの中で重要なのは攻略キャラからの好感度であり、所持金の概念はなかったため心配だったが、さすがは貴族の令嬢。
高級な生地を簡単に買えるほどの懐事情なのは助かった。
レベッカは、約束したクロードの服を作るために早速行動していた。
帰ってきてすぐに彼の肩幅、腰回り、足の長さを書き留め、似合うデザインをデッサンしていた。
ブルベ冬の彼にぴったりな服を作り、贈り、それを着ているところが早く見たい。
早速買ったばかりの布の裏地にペンで線を引き、クロードのサイズにしていく。
ミシンなど機械は無いため、裁縫針に糸をつけ、早速切った生地を縫い合わせていく。
専門学校時代も手際の良さだけは誰にも負けなかった。
頭の中で想像したデザインが生地から服となって、人に着てもらえるのが至福の時間なのだ。
窓から暖かい陽の光が差し込み、レベッカは針を進めることに没頭していた。
いつまでそうしていたのだろう、コンコン、と扉を叩く音がしたので返事をして振り返る。
「誰かしら?」
針を針山へと刺しレベッカは立ち上がる。
扉を開くと、部屋の前で小柄なリリアがおどおどと恐縮した様子で立っていた。
「リリア様、どうかしましたか?」
赤く長い髪が作業の邪魔だからと、一つに結んでいたレベッカを見上げ、リリアが口を開く。
「ええと、レベッカ様に折り入ってお願いがございまして……」
何やらもじもじと人目をはばかる様子だったので、レベッカは了承してリリアを部屋の中へと招き入れた。
部屋の中心の椅子を引き、座るように促すと、リリアはちょこんとその椅子に腰掛けた。
ピンクの髪の毛をバレッタで留め、大きな瞳をレベッカへと向ける。
(か、かわいい……小動物系の最上位だわ……!)
お互い椅子に座っていても、背の高いレベッカは自然と見下ろす形となっってしまう。
上目遣いで見つめられ、女だというのにキュンとしてしまう。
その時ふと、リリアがこの前渡した、ベルトのついたローヒールのパンプスを履いていることに気がついた。
「あ、リリア様その靴履いてくださってるんですね! 履き心地はいかがですか?」
「そうなんです、この靴とても歩きやすくて。ありがとうございます」
どうやら気に入ってもらえたようだ。
華奢なリリアの足首を守る役目のベルト付きのでやはり間違いなかった。
レベッカがティーポットに新しい茶葉を入れ、カップに温かい紅茶を注ぎ、リリアに差し出した。
彼女は小さく礼を良うが、もじもじして口をつけようとしない。