君の記憶…
それから数時間絢音とくだらない話をして、朝方俺達は別れた。
胸にくすぶっていた何かが絢音と話して取れた気がしたのは俺の気のせいかも知れないが、あの絢音の言葉がどうにも気がかりで、もう一度…
琉依と話がしたかった。
琉依のメモリーは携帯からは抹消去れているが、バックアップデータの中には生きている事を思い出し、俺はバックアップデータから琉依のメモリーを引き出し、変わっていない事を祈りながら、メールをした。
久しぶりな為か、携帯を打つ手が微かに震えていた。
短いメールを数十分掛けて打ち終わり、送るのにも数十分掛かった。
躊躇いが勝ってなかなか送信ボタンを押せなかったが勇気を振り絞り、何とか送信ボタンを押すことが出来た。
どっと疲れが出てそのまま床に寝転び俺は琉依からのメールを待ち続けた。