1日限りのニセ恋人のはずが、精鋭消防士と契約婚!?情熱的な愛で蕩かされています




梶谷乳業の火事と聞いて、職場の仲間たちが様子を見に来てくれる。
翌朝には現場検証があるというのに、三枝をはじめ仲間たちの好意には救われた。
事件性を考える警察からの連絡が絶えないが、肝心の紗彩は眠り続けている。

ひと晩中、眠っている紗彩を結都は祈るような気持で見つめていた。
無事に助け出せてよかった。もし現場にあのまま倒れていたらと思うとゾッとする。
せっかく結ばれた妻がこんな目にあうなんて、怒りと悲しみで胸が張り裂けそうだった。

火事については、すぐに放火と断定された。
梶谷乳業の社員の中でも古参の秋葉涼子が『自分が火をつけた』と、警察署に出頭してきたというのだ。
供述通りに、防犯カメラの映像や守衛室の記録から会社に出入りした山岡と秋葉が確認された。
また梶谷乳業の正門付近で、秋葉の指紋がついたライターも見つかったという。

共犯と思われる山岡については捜索中だという知らせが届いているが、紗彩はまだ目覚めていないから知らせようもない。
秋葉はどうやら平常心ではないというし、いったい何があったのかは紗彩が目覚めるのを待つしかないようだ。




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