1日限りのニセ恋人のはずが、精鋭消防士と契約婚!?情熱的な愛で蕩かされています
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二日ばかり入院したが、自宅に戻った紗彩はなぜか結都の部屋のセミダブルベッドに横たわったままだ。
しかも、結都まで隣で寝ころんでいる。
体調はどこも悪くないのだが、結都が心配して紗彩をベッドから出さないのだ。
「もう大丈夫よ、結都さん」
「怖いんだ。君のそばにいないと」
ギュッと紗彩は抱きしめられる。
「体調は問題ないのよ」
帰宅してすぐにベッドに横になったのに、結都は安心できないようだ。
「どこにもいかない。あなたのそばにいるから」
「紗彩」
「だから、あなたも私のそばにいてね」
少し伸びてきた紗彩の髪が肩先で絡まっているのをみつけたのか、結都が指で解きほぐしてくれる。
「洗ってないから、煙の臭いがするでしょ」
「シャワー浴びるか?」
「ええ、すっきりしたい」
それならと、結都にヒョイと紗彩を抱き上げられる。
「え?」
「バスルームまで運ぶよ」
紗彩は横抱きにされたまま結都の肩を叩くが、止まってくれない。
軽々と抱かれたまま、バスルームまで運ばれた。
「あ、ありがとう」
紗彩が礼を言っても、まだ結都はそばにいる。
「あの」
「シャンプーするんだろ」
結都の方が先にシャツを脱いでしまった。
見慣れてきたとはいえ、明るいバスルームで筋肉美を披露されてはたまらない。
「ひとりで洗えるから!」
「またフラついたら危ないじゃないか」